直前レポート『修羅場の車窓から』#12

第12回「ビューティフル・マインド」

毎週金曜日の朝は早起きして『SHIROBAKO』と『四月は君の嘘』を見てから出社するので目が赤いのですが、会社の人にバレていないか心配です(←絶対に大丈夫)。このプログレスレポート、本当は当日中に速報をお伝えする予定だったですが、じわじわ遅れてきました。週末になんとか取り戻したいところです……。

今日は平日にも係らず、メールではステージ関連の微調整が続いています。また企画サークル関係の調整なども加速してきました。コミケットが表現の場として「普段以上の多様性を受け入れる」にあたり、会場の利用規定や時に法律・条例など色々な確認が必要となります。可能な限り希望に添えるよう、調整を続けていきたいと思います。

さて、今日はアカデミック関連の企画で2つの企画をご紹介します。ひとつ目は1日目(3月28日)の12:50~14:20にOTAKU EXPOセミナーブースで行われる「日本発文化創造:同人文化を中心に」です。こちらは東工大の出口先生、慶応の杉浦先生、明治の森川先生、東北芸術工科大の吉田先生という豪華メンバーでお送りします。みなさんとは少なからずお話しをしたことがある(というか一人は私の指導教員でした……)のですが、いずれもディープなマシンガントークで笑いを取れる方たちなので、堅苦しいシンポジウムというよりは、トークショーに行くつもりでご覧頂けると思います。今回はオタク文化の海外展開の話から始まり、最後は「オタク自慢」「お宝自慢」まで、トークがどこに向かうのか、準備会としてはドキドキしています。

※ NHKのコミケット特集より数年早く、放送大学出演時に大量の蔵書をスタジオに敷き詰めた出口先生をご覧になられた方もいらっしゃるかもしれません。放送大学のオープンコースウェアから見られますので、お時間のある方はぜひ。

もうひとつは前回のスペシャルに続けての企画、1日目(3月28日)の11:20~12:30に行われる「ラウンドテーブル: コミケットの未来・同人ソフトの未来」です。大学や研究機関のゲーム研究者、ゲーム関連のジャーナリストの方を集め、熱いトークが繰り広げられる予定です。5年前には黎明期であったボーカロイド・ニコニコ生放送等のメディアも文化として成熟の兆しを見せ、これらにどのように斬り込み、コミケットと結び付けていくのか。私としても聴きに行きたい企画です!

アカデミックといえば、むかし数学をかじっていたので映画『イミテーション・ゲーム』が気になっています。数学者映画というと『ビューティフル・マインド』のジョン・ナッシュが定番ですが、本作は事前の評判が良さそうなだけに、数学者映画の新たな金字塔となってほしいところ。数学者ってたまにドラマチックな人生を歩んだ人がいて、恋人を巡る決闘で、20歳にして亡くなったガロアさんは一部では有名だったりします……平和な時代でよかったですね。

(事務局長)

直前レポート『修羅場の車窓から』#11

第11回「復興」

当日に向けた運用の詳細化が進められています。タイムテーブルの最終化や、エスカレーターの上り・下り運用、ゲート・シャッターの開閉運用といったものが、一つ一つ詰められていきます。こういう新しい会場、異なる時間枠でイベントを開催するときには「紙芝居」(一定時間間隔で、計画上起こることを、地図上にプロットしたスライドショー)を作って、全体の整合性が取れているか確認するのが王道ですので、今週末あたりは集まってきた情報を取りまとめつつ、紙芝居とにらめっこする予定です。

一点追加のお知らせです。今回のスペシャルで発行予定とサークルガイドブックやカタログでお知らせしていた「コミックマーケット40周年史」は、発行を今夏のコミケット88に延期することになりました。今回のスペシャルを通じて、海外サークルや海外・国内イベント、官公庁や地方自治体と連携した成果を今後も活用するため、40周年史に収載することになったためです。スペシャルでの発行を楽しみにしていた方には申し訳ありませんが、よりパワーアップしたものにしていきますので、ご理解よろしくお願いします。

昨日3月11日は東日本大震災の発生した日。4年前、私は丸ビルの会議室でインドの方と打ち合わせをしていました。我々ですら経験したことのない大地震に対し、過去に地震をほとんど経験したことがない外国の方が感じる恐怖は計りしれません。少しでも落ち着いてもらうために、状況を必死に英語で伝えたのを覚えています。携帯電話のパケット通信はつながったため、なんとかご家族に安否を伝えられて、ほっとしていたようでした。今回のスペシャルは、海外から大勢の方を迎えるイベントですので、どのように防災上のコミュニケーションを取っていくのか、改めて再確認する必要性を感じた一日でした。

※ 震災直後には仕事で海外に行く機会があったのですが、海外では多くの人から東京の状況を聞かれました。そのとき「計画停電」を英語で何というのか戸惑った記憶が……普段使わない単語は、準備しておかないと出てきませんね。

東日本大震災の発生した2011年、東京でも会場の損傷や節電の要請など様々な事情で、多くの同人誌即売会やコスプレイベント等が中止・延期を余儀なくされました。2010年にスペシャルを開催した水戸も、翌年の震災で大きな被害を受け、2日間だけコミケットが即売会会場として復活させたビルを、被災した水戸市の臨時庁舎として使うという話も一時あったようです(諸事情により中止になったようですが)。

※ 前回のスペシャル(コみケッとスペシャル5 in 水戸)は2010年3月21~22日に、水戸市中心部の商店街にある「旧京成百貨店(伊勢甚泉町北ビル)」を即売会会場として開催しました。コスプレ広場は水戸芸術館や三の丸広場、物産展は南町自由広場……というように広いエリアに「面」でイベントを展開し、歩き回ってもらうことで、まちおこしにつなげよう、という仕掛けでした。

震災から4年、まだまだ日本全国が復興の道半ばですが、今回のスペシャルを通じて、日本のOTAKU文化やイベントのことを広く伝え、海外から遊びに来てくれる人が少しでも増え、様々な産業の復興につながるよう、微力ながら貢献できるといいですね。

(事務局長)

直前レポート『修羅場の車窓から』#10

昨晩(火曜日)は共同代表3人による打ち合わせが準備会事務所で行われていました。スペシャルチームも事務局数名が参加して、もろもろの最終確認。私は仕事で遠隔地にいたので電話経由でしたが、なかなか疲れました……。

なんとか、当日に向けた販売物・印刷物の入稿も、ようやく終わりつつあります。とはいえ全く落ち着かないのが今回のスペシャル、海外団体に対する最終案内の準備がかなり押しています。翻訳チームの稼働も限界に近い状態なので、なんとか自分で書いて最後のチェックだけお願いする形にすべく、朝からてくてくと英語ドキュメントを作ってました。

前回、少しだけコスプレルールの話をしましたが、コミケットではコスプレを「身体表現」として位置付け、表現の場としてのコスプレエリアや、コスプレ手段としての更衣室を準備しています。そして、コミケットにおけるコスプレ、そしてコスプレ文化の発展を支援するため、当日にコスプレ先行入場(スペシャルでは実施しません)を導入したり、Webサービス「コミコス」を開設したりしてきました。

こうした活動の過程で交流や情報交換を行ってきた、コスプレを主体とする「場」をWebやリアルで作られているキュアさん、世界コスプレサミットさん(WCS)によるイベントを、展示ホール4の常設ステージで開催します!

コスプレコミュニティサイトである「Cure」や「World Cosplay」を運営するキュアさんは1日目(28日)の13:45~14:30に「Cure Cosplay Collection @ OTAKU SUMMIT 2015」を開催し、ファッションショーやアクション・ダンス等のパフォーマンスを行います。今回のテーマに合わせ、海外コスプレイヤーが参加するステージもあるようです。よくネット上で「二次元を超えた」と言われることすらある海外コスプレイヤーさん、あまり生で見たことがないので、非常に楽しみにしています。

また、2003年から名古屋で開催を続けている「世界コスプレサミット」さんは、2日目(29日)の「日本代表選考会 コミケ予選」を開催します。なんでもバトル物になってしまうのは少年マンガのサガですが、熱いコスプレバトルを楽しみにしています。WCSさんは実行委員会に外務省が入るなど、早い時期から積極的に海外交流を行われてきました。私は生で参加したことはないのですが、毎年行っている共同代表の一人によると、相当熱いイベントとのこと。その熱気が今回のスペシャルでも再現されるに違いありません。

そして、必ずしもコスプレイヤーさん向けの企画というわけではないのですが、企画スペースP-38では写真家の鈴木心さんとコミケット準備会の共同企画として「鈴木心写真館」が行われます。鈴木心さんは「JR SKI SKI」のキャンペーン(一部の人には「全部雪のせいだ」のポスター、と言った方が分かるかもしれませんが……)などでおなじみの写真家で、ライフワークとしてコミケットの写真を撮影され続けています。とかく人の多さばかりが注目されがちなコミケットではありますが、そこにいた一人ひとりの姿を残したいということで企画されたのが、こちらの写真館です。ご本人が謙遜された「人力プリクラ」と仰られているのですが、お越し頂いた方(一人でもグループでもOK)を鈴木さんが撮影し、プリントアウトを差し上げるという何とも太っ腹な企画。コスプレイヤーさんも、もちろん普段着の人も、この日の思い出を残して下さい。

※ 近日中に鈴木さんがなぜコミケットを撮影対象とする理由や、写真館への意気込みを語ったロングインタビューを本Webに掲載予定です。また、鈴木さんが撮影したコミケットの写真の一部を、40周年ブース内で「鈴木心写真展」として展示します。こちらもよろしくお願いします。

私は過去に骨折して以来スノースポーツは避けて通っているのですが、2013年に本田翼がモデルだった「青春は純白だ」のポスターは、思わず上越新幹線に飛び乗ってしまいそうな迫力がありましたね。

ちなみに、昨冬のコミケット87で行われた写真館のプレ企画、私も撮影して頂きました。鈴木さんにポージングなどもご指導頂けるのですが、目の眩むスポットライトを浴びつつ「姿勢悪いねえ……」と指摘され、改めてモデルさんはすごい! と思いました。それ以来、少し姿勢を意識するようにしたら、肩こりが軽減するなどの意外な効用も……。みなさんもぜひお試し下さい(効果には個人差があります)。

(事務局長)

直前レポート『修羅場の車窓から』#9

第9回「ルール」

いよいよ当日まで3週間を切り、日々のメールの流量が増えてきました。Webも日々更新されており、印刷会社フェアの情報も続々追加中です。まだ印刷会社を決めていないサークルさん、ぜひお得な情報をチェックして下さい。

さて、今回のコミケットスペシャル、会場だけではなく様々な注意事項も違いますので、サークル参加者のみなさんはサークルハンドブックを、一般参加者のみなさんはカタログをしっかり読んでもらえればと思います。大前提としてコミケットは「考え方」で

コミケットは表現に限らず自由な場であるために、禁止事項など一律のルールは最小限に留めたいと考えています。そのため、参加者は事前にカタログ(冊子カタログ・DVD-ROMカタログ・Webカタログ)を熟読することで、コミケットの考え方やルールをよく理解し、自らを律し、マナーやモラルを考え、相互の立場に配慮して行動することを求められます。

と述べている通り、ルールを最小限に留めたいと思っています。常に「このルールに意味はあるのか?」という自問を行い、時にはスペシャルを規制緩和の実験場とし、試行錯誤を重ねながらルールの緩和を行ってきました。

実際、水戸で開催した前回のスペシャルでは「まちおこし」というテーマを一つの理由に「会場外にコスプレで出ること」を禁止事項から外す「実験」をしました。この十年で社会からのコスプレに対する目線は変わり(メイド喫茶やハロウィンの影響でしょうか)、都心でも街中を活用したコスプレイベントが開催されるようになりました。この実験は正に、ルールの意味を自問した結果に他なりません。当初は、水戸の方たちから不安の声もありましたが、フタを開けてみれば大きなトラブルもなく、終了後には街の賑わいに花を添えたコスプレに対し、感謝の言葉も聞こえてきました。

今回のスペシャルのテーマはご案内の通り、オタクサミット。久々の会場ということもあり、コスプレ来場・退場は「ご遠慮下さい」という扱いにさせて頂きました。とはいえ海外のOTAKUイベントは、ホテルや周辺スポットも巻き込んだ「街ぐるみ」が一般的。会場のキャパシティに悩み続けるコミケットとしては、街の活用という視点を取り入れていかなくてはいけないのかもしれません。

「継続する」というコミケットの目的は、ともすれば規制強化に対して「場を守る」という大義名分を与え、最終的に自らの首を絞めかねません。過去の経験を踏まえると、一度成文化されたルールは参加者の「道徳観」に近づいていきます。そのとき改めてルールの意味を問うことはとても難しいことですが、道徳という枷で表現の可能性を縛っていないか、考え続けることが大切なのかもしれません。

……と、きれいにまとまったのですが通常開催の方でも頒布禁止物・禁止事項の整理や、コスプレルールの緩和を継続的に進めてきましたので、規制緩和の余地も減ってきました。隣に並べて読み比べないと分からないレベルですが、多少はチャレンジしておりますので、探してみて下さい。一方で読み比べなくても分かる、スペシャル定番の規制緩和「お酒」については今回も解禁しております。サークルハンドブックやカタログに

今回は40 周年というお祝い事なので、友人との簡単な乾杯等を行うことは構いませんが、以下のことは必ず守って下さい。
① 節度を守り周りに迷惑をかけないで下さい。
② 未成年(20 歳未満)の方、運転を予定されている方は絶対にお酒を飲まないで下さい。
③ 未成年(20 歳未満)の方、運転を予定されている方に絶対にお酒を勧めず、飲ませないようにして下さい。

とある通りですので、よろしくお願いします。イベント合わせのグッズとして枡を作った、というサークルさんを見ると、スペシャルだなーという気がしますね。

お酒といえば、今回は展示ホール4にて「萌酒サミット」さんの出展があります。各地の酒造メーカーさんが作られた萌酒の試飲・即売が行われ、中夜祭にも引き続きご出展頂きます。お酒を飲みながら、ライブでぴょんぴょんするとすごいことになりそうなので、そこは節度を持ちつつ!(自戒)

(事務局長)

直前レポート『修羅場の車窓から』#8

第8回「知力・体力・時の運」

昨日はコミケットスペシャル6に向けたスタッフの最後の全体集会となる「第3回拡大準備集会」を幕張メッセで行いました。今日はくろケットでご一緒するスタジオYOUさんのイベントが盛況でしたので、隣のホールを歩き回る怪しい(?)準備会一行を見た人もいるかもしれません……。

150308_01午前中は一部のメンバーで展示ホールやトラックヤード、付帯設備の部屋などを見学しました。今回はビッグサイトでの通常開催とは異なり貸し切りではありませんので、共用部分の利用方法などについて一層の留意が必要そうです。

午後は全体集会として、最新情報の共有を1時間程度、その後は当日の担当に分かれての打ち合わせを夕方まで行いました。通常開催とは違う幕張メッセという会場で、ステージやOTAKU EXPOなど多彩な内容が詰まったスペシャルを、新しい仲間で連携しながら取り行うということで、各部署かなり慎重に詳細を打ち合わせていました。

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印象的だったのは全体集会で、某共同代表が「スタッフは『知力・体力・時の運』です!」という話をしていたことでしょうか。ヒト・モノ・時間・空間に対して知識を固めること、当日乗り切るだけのコンディションを整えること、そして最後は運で天気をも操れ! とのこと。昔のゲームみたいに、寄付すれば運のパラメータが上昇、とかいう形ならカンタンなのですが……。(ちなみに本を買うお金も体力の一部だそうです)

ちなみに、会場が変わったとき、スタッフにとって大事なのは「地名」「機能」を覚えることです。ビッグサイトで頭に叩き込んだ「北コンコース」も「西3番ゲート」といった地名が(当然ですが)幕張メッセでは全く役に立ちません。改めて「やすらぎのモール」や「サービス通路」といった地名を覚えないと、スタッフ間のコミュニケーションがうまくいきません。また、総本部・更衣室・救護室……といったコミケットの機能がどこに置かれているかも、一般参加者・サークル参加者の方からの質問に対応するには必須事項です。これも、ビッグサイトでの記憶が混乱の元になります。しかしながら、全てビッグサイトの記憶を飛ばしてしまうと、さっそく次の夏コミで困ります(笑)。こうした点を受けて、携帯用のマニュアル(アンチョコ)を全スタッフに配るなど、色々な工夫をしてスペシャルに臨んでいます。

ちなみに、長年開催を続けていると地名がない場所に対して、スタッフの人名が仮称として付くことがあります。今回もゲートに某総統括の人名が付きそうになっていますが、本人が抵抗しているので、当日はどうなることやら……。

拡大準備集会終了後は、部署別の懇親会で親交を深めたスタッフも多いようです。今期のアニメの総括に入る人、仲間とイベント論を戦わせる人、久々の再会に近況を語る人、なんだかよくわからないけど騒ぐ人……おもちゃ箱をひっくり返したような多様性、でもその根底にコミケットという場が、同人文化が好きという通底する想いが、僕たちを結びつけているのかもしれません。

(事務局長)

直前レポート『修羅場の車窓から』#7

第7回「EXPO」
※ 昨晩UP予定だった記事ですので、1日ずらして読んで下さい……)

いよいよスタッフ全員が集う最後の場、第3回拡大準備集会も明日に迫ってきました。次回は会場見学や拡大集会の模様など、写真で舞台裏をレポートできればと思いますので、お楽しみに。集会前夜の事務所(通称:ベヤ)は資料の準備や印刷で活気づきます。リソグラフ(軽印刷機)のしゃこんしゃこん……という音が聞こえてくると、ああ拡大だなーと感じます(本当か!?)。

その他の準備状況としては、ステージイベント系で詳細な舞台上のレイアウトや進行を詰めるなど、直前の追い込みが行われています。この段階でも全体の導線に影響を与えるような変更が発生したりするのですが、バランスを斟酌したギリギリの調整が続く現状で、時間を集中的に投下できる週末は恵みの雨……通常と逆の発想になってしまっている気がしますが、考えなかったことにしましょう。

さて、今回はコミケットスペシャル6~OTAKU SUMMIT 2015~の会場内で開催されている「OTAKU EXPO」について紹介します。EXPO=博覧会と名付けられたこのイベントは入場無料となっており、18の国・地域から28のマンガ・アニメ・ゲーム等に関するイベントが集う「World Events Exhibition」、OTAKU文化とコラボした活動を行っている26の地方自治体・観光協会等が集う「OTAKU JAPAN観光協会」、そして「コミケット40周年ブース」といった内容を含むもので、今回の「OTAKU SUMMIT」というテーマを象徴する一つの目玉でもあります。

この時期にコミケットがこうした催事に取り組む意味については、少し説明が必要かもしれません。スペシャルのカタログ巻頭での、共同代表あいさつから言葉を借りましょう。

コミケットはその運営理念において「同人誌を中心としてすべての表現者を受け入れ、継続することを目的とした表現の可能性を拡げる為の場」と自らを定義しています。私たちはこの理念に基づいて行動して来ましたが、様々な困難に立ち向かう上で、仲間たちとの絆を深め、協力しあうことの大切さを痛感しています。(後略)

ここではこの「困難」について具体的な言及はされていませんが、私見としては脅迫等の外部からの脅威や、児童ポルノ法やTPP等の社会環境の変化に際しても、全ての表現を守り抜くために、手を組める相手を増やしていこうという意志の表れだと解釈しています。これは一昨年「コミケットの理念」(Webにも掲載しています)が改訂された際に「目指すもの」として、官公庁やアカデミア(大学・学会等)との連携が謳われたこととも、関係しているはずです。

……という「狙い」もなくはないですが、何はともあれ全国からお越し頂いた自治体・観光協会のみなさん、世界からから集ったイベントのみなさんと、楽しく過ごし、遊んでもらえればと思います。結果的にはそのことが本当の意味での「仲間との絆」に他ならないわけですから。

(事務局長)

※ スタッフ内でEXPOにちなんで『オトナ帝国』の大阪万博の話をしたら、ものすごく年上だと勘違いされました。失礼な、万博といえば筑波ですよね……!(既におっさん)

直前レポート『修羅場の車窓から』#6

第6回「編集王?」

この週末、スタッフの全体集会(いわゆる「拡大準備集会」)があります。拡大準備集会というのは聞き慣れない名前ですが、コミケット黎明期に「全サークルを集めてその場で配置を決めたり、当日の流れを確認したりする集会」が行われていたことが起源だと言われています。その名残として、現在でも開催直前に開催される「第3回」拡大準備集会はサークルの部を設け、情報共有や質疑応答が行われています。(スペシャルではありませんのでご了解下さい)スペシャルとはいえ800人以上のスタッフがいますので、最近の事務所では資料の編集や印刷が盛んに行われています。最近ではプロジェクターを使うなど、情報共有の効率化は一つの課題にもなっていたりします。また、シンポジウム等の各種ステージイベントの準備も大詰めです。ステージレイアウトや詳細な進行など、まだまだやらなくてはいけないことが多そうです。

今日、直営店のコミケットサービスで、カタログが発売になりました。一般書店では明日3月7日(土)からカタログが発売されます。1日ごとの分冊で直営店の販売価格は各日1,000円(税込)、一般書店での販売価格は1,000円(税抜)です。今回はカタログ全員購入制ですので、ぜひお買い求め下さい。サークルさんはサークル通行証で入場可能ですが、スペシャルを隅から隅まで楽しみ尽くすため、ぜひともどうぞ。

※ なお、簡易版ですがWebカタログも本日より無料で公開されています。入場には冊子カタログが必要となりますのでご注意下さい。

その厚さゆえ、一部では凶器とも囁かれるコミケットカタログの編集は、ノウハウの固まりです。3万枚以上のサークルカットを貼り、枠線を美しく引き、ミスをチェックしていくための作業工程は、先人たちによって磨きあげられてきました。最近ではオンライン申込割合の増加に伴い、逆にオフライン分のサークルカットスキャンするようになったため、かなり自動化が進みました。とはいえ、最後は人の目によるチェックが物を言うところは変わりません。

スペシャルの場合、通常開催ほどは厚くはならないのですが、会場が異なるため一から作る会場案内図、こっそりと緩和されている諸注意、大量にかつバラバラに進む企画紹介ページなど編集チームを悩ませる地雷が大量に埋まっています。さらに今回は2分冊の上、英語化が編集スケジュールを圧迫したため、「まだ入稿してないの?」と冷汗をかくシーンもありましたが……。

準備会にはサークル出身のスタッフもいますが、正直な話をすれば「本を作ったことがない」スタッフも相応に入ってきます。カタログの編集という立場であれ、本を作る経験をすることは「参加者がとり行う」コミケットにとって、非常に大事なことだと考えています。サークルさんのいう「修羅場」がどういうことなのか、それを通じて生み出された創作物がどういう意味を持つものなのか、引き続き考えていきたいものです。

なんか今日はまじめな話になってしまいましたね。『バクマン。』や『月刊少女野崎くん』のようなマンガ家マンガにはエキセントリックな編集者が付きものなので、かつてのカタログ編集長だった某共同代表のエキセントリックな逸話を語ろうと思ったのですが(笑)……おっとこんな時間に誰か来たようだ(お約束)

(事務局長)

※ などと書いていたら、マンガ家漫画の源流『サルでもわかるマンガ教室』が読み返したくなり、思わずポチってしまいました。(まじめには『まんが道』ですよ、念のため。)便利な世の中は、財布を薄くしますね。

直前レポート『修羅場の車窓から』#5

第5回「ハレの日」

一昨日は、事務メンバーが幕張メッセとの打ち合わせに行ってきました。会場・準備会双方のメンバーが大幅に入れ替わっており、実質的に初めて使う会場ですから、ここに来て新しい話も色々と出てきます。会場管理の方法、入場導線の設計、警察・消防への書類提出など様々な面で勝手が違います。特に本部回りの動きについては、直前期まで息を抜くヒマが無さそうで、戦々恐々としています……。

さて、2年前に「コミケットの理念」を改訂した際、改めてコミケットは「ハレの日」でありたいという意志を明確に示しました。コミケットは「場」であるがゆえ、ある期間だけその場所に現れ、何事も無かったかのように消えていきます。そのとき・そこにしかないからこそ、この場が「特別なもの」「大切なもの」と感じられ、多くの人がそこに集うのかもしれません。理念には以下の記載があります。

コミケットはその歴史と規模ゆえに、多くの参加者にとって特別な意味を持ちます。年に2回決まった時期に、多くの仲間が集まり続ける非日常の空間―それはある種のお祭りとも言えます。

コミケットが持つこの祭祀性は、日本的な世界観における「ハレの日」に近いものなのでしょう。コミケットという場を継続していくことは、新たな表現の誕生を祝い合い、次なる創作を行う活力を養うための、終わりなき営為として捉えることもできるかもしれません。

最終回のコラムで言おうとも思っていたのですが、これを読むたびに『天地無用』の名言「お祭りってのはな、ちょいと待ってりゃ、また必ずやってくるんだぜ」を思い出します。次のお祭り――CS7がやってくるのを楽しみに思えるような「ハレの日」にしたいものです……って相当気が早いことを、第5回にして言ってしまった気が。

そして、お祭りには歌舞が付きものですので、前回のスペシャルに続き今回も「中夜祭」を開催します。CS6の中夜祭は「OTAKU SUMMIT SPECIAL LIVE」と題し、特設ステージでのライブを中心としたイベントです。参加者全員での乾杯から始まり、ケータリングや「萌酒」などのブース出展もあります(※)。旬なアーティスト揃いの出演者はこちらのページを参照して下さい。当日券より500円お得な前売券は、プレイガイド「チケットペイ」や直営店「コミケットサービス」等で販売中です。海外からの参加者も交えて、楽しく盛り上がりましょう!

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(事務局長)

※ ワンドリンクやケータリングでお酒を希望される方は年齢確認がありますので、生年月日を確認できる身分証等をお持ち下さい。

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チケットは「チケットペイ」にて好評発売中!

直前レポート『修羅場の車窓から』#4

第4回「姉弟」

今日もコミケット事務所では40周年記念展示の準備が進んでいます。白い手袋を付けて、カタログ表紙や森林保護募金のポスターをケースに納める姿は、なにか新鮮です。展示方法についての施工業者さんとの打ち合わせも、一歩一歩進んでいます。記念展示もベネチア・ビエンナーレにも出展した30周年以来なので、ノウハウを一から積み上げなくてはいけないところもあり、なかなか苦戦しているようです。

今回はOTAKU SUMMIT 2015の顔でもある「公式キャラクター」について裏話をお話ししたいと思います。コミケットとしてマスメディアの取材など、コミケットにおける広報(スポークスパーソン)は共同代表なのですが、CS6ではニコニコ生放送やシンポジウムなどでさらに露出が増える上、海外からの参加者からも分かりやすい「コスプレ広報」企画が立案されたのがきっかけです。

キャラクターデザインは海外での人気も高い渡辺明夫さんにお願いし、筆川麻耶・玲音の姉妹が誕生しました。そして公式キャラクターデザインをコスプレ衣装化する際にはCOSPA/COSPATIOさんにご協力頂きました。今回、公式キャラクターは3月7日発売(直営店では3月6日発売)のカタログ、コスプレ登録証、そして準備会公式グッズなどさまざまなところで「看板」として活躍しています。

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この公式キャラクターのコスプレ衣装、共同代表に着てもらおうかとも思ったのですが、手を上げて頂いた(断りきれなかった!?)二人のスタッフに着て頂いています。二人は昨冬のコミケット87設営日の「ニコニコ生放送」でお披露目、会場内のレポートやCS6の紹介などを行ってもらいました。また、2日目にはCS6でも行われる「鈴木心写真館」でポートレートを撮影して頂き、このときの写真はCOSPAさんのサイトにも上がっておりますので、是非ご覧下さい。

CS6当日も開会式やシンポジウムを始めとして、会場内の随所に出没予定ですので、記念写真など撮ってみるのもよいかもしれません。

ちなみにこの二人、設定も細かく決まっていますのでチェックして下さい。スタッフとしての担当も決まっているのですが、これは通常開催の担当名なので「CS6ではいったいどこの担当で、どういう役職が付いているのか」など細かいことで議論を交わすあたり、スタッフもみんなOTAKUですね、はい。

(事務局長)

直前レポート『修羅場の車窓から』#3

第3回「We love the EARTH」

曲名タイトルにすると年代がバレるという話はさておき、当日まであと3週間となり海外とやり取りするメールの流量が爆発してきました。来日頂く海外イベントのサポートなどについては外部にお願いさせて頂いているのですが、希望する海外イベントに提供するセミナーブースでの「イベントプレゼン」が予想以上に盛況で、枠の調整に追われています。

海外とのメールのやり取りは主に英語なのですが、英語はコミケット準備会にとっても今回の大きなチャレンジです。NHKの『知られざる”コミケ”の世界』でも取り上げられていたように、外国語に堪能なスタッフを集めた「国際部」という部署がありますが、規模は十数人とそれほど大きくなく、事前作業が可能な人はさらに限られます。

今回は海外サークル(約30サークル)の直接申込もありましたし、各所で外国人の方への対応が増えると予想しています。そのため、通常開催の国際部メンバーは各担当に入り、周囲のスタッフと連携しながら対応します。最近は小学校で英語教育が取り入れられたり、就職活動でTOEICの点数が求められたりと、英会話や英文メールに不自由しない人が増えているはず……。いや、同じオタク同士、熱意とジェスチャーで、きっとコミュニケーションはできる!(と某共同代表も申しておりました)

一方の事前作業では、海外在住のスタッフや仕事で英語を使うスタッフなどが集まって翻訳チームを作り、可能な限り最後にネイティブ(英語を母語とする人)のスタッフによる確認を行うようにしています。こういう時、複数人での同時作業が可能な、クラウドサービスの便利さを痛感します。5年前だったら、数倍の労力がかかっていたことでしょう。

ちなみに、専門用語も多いので「用語集」を作って訳語を統一するようにしています。今回、改めて用語集を見たら「あ」の項目に「アホ毛 antenna hair」という項目を見つけました。明日からすぐ使える英単語ですので、学校やビジネスで、ぜひご活用下さい。

(事務局長)