直前レポート『修羅場の車窓から』#2

第2回「群像劇」

前回の第1回、本当は日曜日アップ予定だったのですが、最終調整に手間取り月曜日になってしまいましたので、1日2連投ですがお届けしたいと思います。

本コラムの位置づけが「ゆるめに」なので、話の枕としてアニメの話でも。昨年から放送中の『SHIROBAKO』というアニメ制作現場を描いた作品があります。監督以下、演出・作画監督・原画・動画・美術監督・音響監督・デスク・制作進行……という人々の織りなす群像劇なのですが、改めてアニメには本当に多くの職種の人が絡んでいることを知りました。その最新話、主人公が「なぜアニメを作っているのか?」を色々な人に聞いて回る場面があったのですが、「一つのゴールに一丸となって向かっていることが好きだから」というようなことを話しているキャラクターがいて、共感してしまいました。

ご案内の通り、準備会はボランティアのスタッフで構成されているのですが、そこには様々な本業を持ったその道の「エキスパート」がたくさんいます。例えば、編集・音響・広報・デザイン・プログラム……といった各分野のスペシャリストから、商業でも活躍する作家さんまで、その多様性はアニメ制作に伍するかもしれません。各自が得意分野で専門性を発揮しつつ、時にはぶつかり合いながら、そして外部の企業さんとも連携しながら場を創り上げていくことは、たぶんみなさんの想像以上に楽しい「群像劇」です。

もちろん、本気を出す動機であり、その力を束ねるのはこの場にある「何か」が好き、というファンとしての想いです。強い想いなら誰にも負けない学生さんスタッフが、エキスパートの背中を見て、進路を定めていくような場面に出会うと、ちょっとだけ「若いっていいな」と思ったりする今日このごろです。(昨日が経団連の就職活動解禁日でしたのでタイムリーなネタということで)

今回のスペシャルは、海外との渉外やステージイベント等、普段のコミケットにはない要素が多数あるため、ちょっと違う体制作りをしています。当日の組織として、通常開催では15程度ある「担当」を7つに集約しています。新しい会場では、作業をあまり細分化しても効率が悪くなってしまうため、敢えて担当の数を減らしてみました。一方、事前の作業においては「サークル向け事務」「スタッフ向け事務」「企業・自治体向け事務」「イベント団体向け事務」「当日企画」「カタログ」「40周年」「広報」「資材」という「ワーキンググループ」を作り、その道のエキスパートをうまく配置しつつ取り組んでいます。こういうタテ・ヨコが交わる組織は得てして抜け洩れが起こりやすいので、全体をみる事務局チームが目を配りつつ、当日に向けて着々と準備を進めています。

(事務局長)

直前レポート『修羅場の車窓から』#1

第1回「マイナス26日目」

いよいよ3月を迎え、コミケットスペシャル6も目前に迫ってきました。ここまで諸般の対応に追われ、準備状況の話というのもあまりできなかったので、最後の1ヶ月限定ではありますが、可能な範囲で日々の風景を「ゆるめに」お届けできればと思います。

一昨日の土曜日は月例の進捗会議「最終回」でした。中心メンバーが終日会議室に集まり、当日の各担当による運用計画を共有し、すり合わせました。夏冬の通常開催(最近は「本祭」と呼ばれることが多いです)とは違う会場、そしててんこ盛りの企画を受けて抜けもれや矛盾がないか確認していく作業はなかなか骨が折れます。

盛りだくさんの企画に対しても一つ一つ進捗管理を行い、残りの時間でできること・できないことの取捨選択をしていくのも、スペシャルにおいては非常に重要な仕事です。そして、カタログ発売で公開となる企画情報のPRについても、直近で頭を悩ませる課題です。一つ一つ乗り越えていくしかありませんが、何とか形にしていきます。

一方、コミケット事務所(いにしえより「コミケ部屋」の短縮形で「ベヤ」と呼ばれます)ではこの週末、くろケットの発送作業や、スタッフ証の作成作業、40周年記念展示の準備等が行われていました。私も日曜日は終日事務所におり、全体の進捗状況を見渡し、色々なスタッフと連絡を取り、課題への対応策を検討していました。

昨日の夜には、みなさんお待ちかねの参加サークルリストを公開しました。関連する公式ツイートはそれなりに広く拡散されていたようです。また、今回はスペシャルとしては初の試み、簡易版ではありますがWebカタログも用意しています。詳細発表は今週末のカタログ発売と前後して行う予定です。

このコラム、できればスペシャル当日まで毎日、週末は集会や作業の話題、平日はこれまでの流れやコミケットの裏側についてお伝えしてきますので、よろしくお願いします。

(事務局長)