直前レポート『修羅場の車窓から』#17


第17回「キラーチューン」

いよいよ当日まで10日となり、平日とはいえ大量のメールが飛び交います。会場との打ち合わせも細部へと進み、ゴミ箱や喫煙所の運用などに関する最終調整が行われています。警察・消防への書類提出やごあいさつも無事に終わりました。そして今回の目玉のひとつである中夜祭についても、舞台監督さんなど外部の専門家と綿密なやり取りが続きます。事務局としては全体を見渡しつつ、遅れているところがあればタスクを確認してテコ入れ……ラストスパートというにはあまりに長い全力疾走が始まりました。

ウェブサイトには写真家の鈴木心さんへのインタビュー(全4回)の掲載を始めました。こちら読み物として非常に面白いので、ぜひご覧下さい。なんと、第1回は意外にもほぼゲームのお話です!

さて、今回は企画サークルのご紹介です。通常のコミケットでは当選率を高めるために、サークルさんには「机とイス」という定型フォーマットしか提供できていません。これは自由な表現の場であるコミケットとしては本意ではありません。そこで、スペースの広さやレンタル資材など様々な要望に応えるのが「企画サークル」であり、スペシャルの一つの定番となっています。ゲームの筐体を持ち込んだり、鉄道模型を走らせたり、工作等の体験型の企画だったり……とまさに可能性は無限大。今回のスペシャルにおいては、企画サークルには2メートル四方を1コマとして、2日間通しで参加頂きます。(ちなみに最大のサークルさんは15コマ!)

※ 私も口伝でしか知らない晴海時代のCS2では、雀卓を持ち込んで4つの列を作り、上がったところから頒布したサークルがあった……というような「伝説」も数多く生まれています。

企画サークルというのは、初期コミケットが持っていたであろう「文化祭」的な雰囲気の象徴かもしれません。こうした自由度の高い参加形態は、コミケットの参加者が急激に増加し、その規模が急激に拡大する過程で、泣く泣く切り捨ててきてしまった要素です。通常サークルと比較して、企画サークルの受け入れにはサークル配置や資材発注、設営などの様々な側面で個別対応を必要とします。しかし、コミケットの「あらゆる参加者と表現を受け入れる」という自己規定を充足するためにも、こうしたチャレンジを続けていくことが大事なのかな、と思っています。

また、ステージ企画のご要望があったサークルさんによる、常設ステージでの企画もあります。まずは「Avalon SCA」(スペース番号P37)さんによるステージが、1日目(28日)13:00~13:15、2日目(29日)11:30~11:45の二回行われます。こちらは西欧文化のサークルさんで、西洋剣術のデモンストレーションが行われるとのこと。もう一つは1日目の15:00~16:00に行われる「SP救五有志によるチャリティーライブ」です。こちらはタイトルから分かる通り、準備会の某担当有志が企画しているライブです。カタログ原稿によれば地下アイドル・魔法少女アイドル(!?)などが出演。お楽しみに。

そして、企画サークルの一枠ではありますが、準備会スタッフ有志による準公式企画として「コミケde縁日」(スペース番号P15)も行われます。こちら、コミケットという「ハレの日」には欠かせない「縁日」を海外からの参加者にも楽しんでもらうために、有志が立ち上がりました。過去の森林保護募金のポスターなど豪華景品も用意していますので、ぜひともご参加下さい。

企画と言えば、スタッフの誰かが「当日、事務局長はビッグサイトから幕張メッセまでマラソンで向かい、閉会寸前に『サライ』が流れる中で会場入り」という企画を持ちかけてきましたが、なんとか阻止しました。某電波少年のヒッチハイクとか、某どうでしょうのサイコロの旅とか、ちょっとした理不尽を伴うロードムービーって、いつの時代もいいですよね。スペシャルが終わったら旅行に行くぞー!

(事務局長)