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  • 直前レポート『修羅場の車窓から』#15

    第15回「Eyes on Me」

    日曜日の準備会事務所では、企画サークルや出展企業・搬入企業向けの最終発送作業が行われていました。また、40周年記念展示などの追い込みも進んでいます。海外イベント向けの最終案内送付などの準備も着々と進んでいます。

    海外イベントとやり取りする際のスピード感は、国内と全く違います。返事が遅かったり、〆切でも「未定です」と言われたりということは日常茶飯事、もろもろの日程が押してきています。逆に我々も、多数のイベント団体に英語で返事を書いているため、反応が遅くなってしまうこともあり、お互い様といえばお互い様なのですが。

    英語でメールや文書を作るときに大変なのは用語をどう統一するかです。そもそも「コミックマーケット準備会」は「Comic Market Committee」と訳しています。そもそも「準備会」という同人以外であまり目にしない日本語をそのまま英語に直訳し「Preparation」等を入れてしまうと、意味不明になってしまいます。

    また、コミケットの理念に登場する用語も、独特の曖昧なニュアンスで使われており、代表あいさつ等の翻訳はネイティブのスタッフにお願いしました。以前にコミケットマニュアルを改訂し、英語版をWebに掲載した際、基本的な単語--例えば「参加者」や「作品」「表現」に対しては、基本的な訳語を定めています。「参加者」はそのまま「Participants」ですが、「作品」は「Creative Works」、「表現」については「Self-Expression」という訳語を基本としています。英語で「Expression」単体だと、感情表現というニュアンスが強いとのこと。ちなみに「ハレの日」は「Day of Hare」とした上で注釈を付けています。

    ということで、英語のお勉強でした。正式には今週中に公式サイトで告知があると思いますが、今回のスペシャルでは「自分は英語が話せるので、困っている海外からの参加者がいたら声をかけてね」という方に対し、自己申告制で「通訳ボランティア」であることを示す「シール」を配布する予定です。配布場所などについては追って案内があると思いますので、当てはまる方は是非ともご確認下さい。

    むかし「英語の歌を歌えるようになると、英語が得意になる」という都市伝説を信じ、カラオケで全編英語の歌を練習しました。懐かしきFF8の「Eyes on Me」でしたが、適当に歌詞を潰してカタカナにして歌ったため、むしろ英語力が低下した気がしますが、手遅れ感が甚だしいですね。

    ※ 今だとペルソナとかなのかしら……。

    (事務局長)

    直前レポート『修羅場の車窓から』#14

    第14回「凍える生放送」

    CS6をいよいよ2週間後に控え、週末は責任者メーリングリストでのメールの流量が激増します。14日は土曜日ということで、いつもの倍といったところでしょうか。そんな中で、中夜祭の曲目が決定しつつあるというメールがあり、私はセットリストを見て小躍りしてしまいました。中夜祭の告知ページはこちら……曲目は当日までお楽しみですが。

    ※ 逆に言うと、私は当日までの大事なドキドキを失ってしまった気がする……。

    さて、本日はセミナーブース企画の紹介です。こちらでは、先に述べたアカデミック系のシンポジウムやラウンドテーブル意外にも、出展する海外/国内イベント団体・ミュージアムによる10分間のプレゼンテーションが続々と行われる予定です。ブース・パネル出展では表現できなかったイベントの特徴や各国のマンガ文化について、投影資料なども用いつつ各イベントの代表者に語って頂く予定です。

    このイベントプレゼンテーションの特別枠として、国内イベント団体としてOTAKU EXPOに出展する博麗神社社務所さんによるステージ企画「東方サミット」を1日目(28日)の15:05~16:00に開催します。コミケットにおいて、同人ソフトとして初めてジャンルコードとなり、ボーカロイドやニコニコ生放送といった周辺メディアと相互作用しながら、同人界に旋風を巻き起こす東方Projectジャンルがどのように成長してきたのか、そしてどのようにさらなる進化を遂げていくのか、最前線で「場」を創っている方たちの想いを聞けるチャンス。生放送もあるとのことですので、同ジャンルのファンはもちろん、今さら聞けないというあなたもぜひご参加下さい。

    ニコニコ生放送といえば、昨年12月20日にniconicoの公式生放送に安田代表が出演してスペシャルのPRを行い、同27日(コミケット87設営日)にはアトリウムからコミケット初の公式生放送がありました。私もスペシャルの紹介で少しだけ出演したのですが、とにかく冬のアトリウムは寒く、コート・マフラーのフル装備で臨みましたが、それでも転換中は座っているのが厳しい状態。そんな中でも普段着で淡々とMCを続けられるお二人に、プロの姿を見た気がしました。

    ※ あのときは「えー」などの間投詞を挟まないよう意識しすぎて、話の間が変になっていました。正月に実家に帰ったとき、両親からリクエストがありタイムシフトで見直したのですが、家族と見直すのは罰ゲームでした……。

    niconicoに関連してあと二つほど告知を。一つ目はかつてのコミケットで行われていた「ブロックノート(注1)」のリバイバル企画である「ブロックシート in コミケットスペシャル6」です。こちらの企画はサークルさんにシートを配布し、記入頂いたイラストやレポート、サークルのPRなどを、スペシャル当日に会場で掲示、希望するサークルさんのシートはドワンゴさんの「ニコニコ静画」に同時にアップし、共有していくものです。当日のサークルさんと参加者の新たな出会いを産むだけでなく、ネットを活用したブロックノートの21世紀版ということで、どのような形になるのか今から楽しみですが、サークルさんは積極的にご参加の程、よろしくお願いいたします。

    注1)2000年まで存在したノートで、サークルに回して自由に絵や意見を記入してもらい、サークル同士やサークルと準備会のコミュニケーションに活用されていた。また、カタログには膨大なノートから名作をセレクトした「ブロックノートセレクション」が掲載されていた。

    二つ目は4月25・26日に行われる「ニコニコ超会議2015」です、今回のスペシャルとのコラボレーション企画である「超コミケットスペシャル」が出展するという企画です。常に通常開催の準備でてんてこ舞いのコミケットが、他のイベントで見られるのは非常にレアです(注2)。今回のスペシャルのアフター企画として、40周年記念展示やブロックシート展示を初めとして、ニコニコ超会議ならではの企画を検討中。普段は見られない、スペシャルの混沌とした舞台裏が垣間見られるかも? こちらは近日中に詳細を公開予定、お楽しみに。

    注2)講演であれば多数ありますが、出展となると招待されたベネチア・ビエンナーレや日本開催時のワールドコンなどを除いて、ほとんどありません。

    いろいろとネットメディアとのコラボレーションの話を書いたので、最後に少しですが、マンガの話をさせて下さい。昨日、ふと平積みになっていた『いちえふ』(講談社)を手に取り、お試し版を読んだ勢いで2巻とも買ってしまいました。こういう「働いてみた」的なジャンルって、実写だったら成り立たないもので、マンガという表現の力について、改めて感じました。既に高評価ゆえ逆に敬遠している人もいるかもしれませんが、未読でしたらぜひ。

    (事務局長)

    シンポジウム『俺たちのコミケがそんなに悪いイベントなわけがない』開催!

    「コミケットスペシャル6」カタログのステージイベント紹介ページでも「COMING SOON!」となっていましたが、28日11:30~12:30に、OTAKU EXPOシンポジウム『俺たちのコミケがそんなに悪いイベントなわけがない』を開催します。詳しい内容は、告知ページhttp://cmksp.jp/cs6/w/otaku-expo-symposium/ を参照! 是非足をお運び下さい!

    ○タイトル:
    OTAKU EXPOシンポジウム
    俺たちのコミケがそんなに悪いイベントなわけがない
    ~「公」の中の人がコミケとファンイベントを語る~

    ○日時:3月28日(土) 11:30~12:30
    ○場所:OTAKU サミット 常設ステージ(幕張メッセ 5ホール)
    ○主催:OTAKU EXPO実行委員会
    ○注意:OTAKU サミット常設ステージでの開催ですが、このシンポジウムに限り、
    OTAKU EXPOのみの入場者も無料で参加可能です。当日はスタッフの指示に
    したがって着席下さい

    ○パネラー
    ・熊谷俊人(くまがい としひと)(千葉市長)
    ・青木保(あおき たもつ)(国立新美術館館長・元文化庁長官)
    ・中村伊知哉(なかむら いちや) (知的財産戦略推進本部検証・評価・企画委員会座長/慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)
    ・桶田大介(おけだ だいすけ)(弁護士/マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟アドバイザー)
    ○モデレータ
    ・境 真良(さかい まさよし)(国際大学GLOCOM客員研究員)

    ※このほか、コミケットスペシャル6では、以下の3つのシンポジウム、トークイベントを開催します。

    1.ラウンドテーブル「コミケットの未来・同人ソフトの未来」
    http://cmksp.jp/cs6/w/roundtable/
    2.アカデミックシンポジウム「日本発文化創造:同人文化を中心に」
    http://cmksp.jp/cs6/w/academic/
    3.クリエイターズ トークライブ 「幕張メッセよ! 私は帰ってきた!」
    http://cmksp.jp/cs6/w/talklive/

    直前レポート『修羅場の車窓から』#13

    第13回「隠し球」

    少し遅くなりましたが、13日の金曜日分のレポートをお届けします。カタログのステージタイムテーブルで「Coming Soon」とされていた1日目のステージ内容は、月曜日中には発表できそうです。現在最終調整中なので、もう少しお待ち下さい。シンポジウムなのですが、結構びっくりするような登壇者・内容になると思います(無駄にハードルを上げてしまっているかしら……)。

    また、非公開ではありますが、国内団体・海外団体を招いて事前に行うラウンドテーブルや歓迎イベントなどの詳細も、徐々に詰まってきています。こうしたイベントは準備会の中にそこまでノウハウがないことも多く、本業での経験があるエキスパートの協力を得ながら、着々と作業を進めています。

    さて、前段で述べた未発表のステージと一緒に紹介しようと思っていた、常設ステージにおける企画についてご紹介します。まず、水戸で開催された前回のスペシャルで好評だったステージの続編「幕張メッセよ! 私は帰ってきた! クリエイターズ トークライブ」を、2日目の(29日)13:30~14:30に行います。コミケットと関わりの深い3人のクリエイター、賀東昭二さん・氷川へきるさん・松智洋さんを招き、コミケットの過去と現在、業界の裏話について語り尽くして頂きます。

    次に、今回のコミケットスペシャルのフィナーレとして、2日目(29日)15:00~16:00に行われるシンポジウム「オタク新世紀宣言~ファンのネットワーク構築に向けて」です。今回のテーマを発表した際(もう1年以上前ですね……)の代表ごあいさつには

    アニメファンが特別な存在だった1981年、機動戦士ガンダムを作った富野由悠季監督は映画版ガンダムを見るために集まった一万五千人の聴衆に対して『アニメ新世紀宣言』を発表し、アニメが文化として認められる時代が幕を開けました。
    (中略)
    今回のコミケットスペシャルにおいて我々はオタク文化のファンとして、国内、海外でマンガ、アニメ、ゲームを愛する仲間たちといっしょに、『オタク新世紀宣言』とでも呼ぶべき、新しい時代への思いを語りたいと思います。

    とありました。このシンポジウムの前半では、来日した海外イベント数団体に登壇頂き、日本のOTAKU文化の源流の一つであるコミケットを実際に見た感想や、自国のイベントとの違いについてお伺いします。また、事前に行われたラウンドテーブルでの議論の様子について、こちらで紹介したいと思います。そして後半では来日頂いた海外イベントが壇上に集結し、その場にいるコミケットスペシャル6~OTAKU SUMMIT 2015~の参加者と一緒に『オタク新世紀宣言』を公表し、そのまま閉会宣言になだれ込む予定です。是非、歴史の一ページの証人となって下さい。

    ※ 海外イベント多数登壇ということで、何が起こるか分かりません。そして時間通りに終了するのか、設営部もドキドキしながら見守っています……。

    あっという間に、当日まで残り2週間を切ってしまいました。ここまで来たら怖いのは準備作業よりもインフルエンザ。楽しいスペシャルを家からTwitterで見届けることのないよう、みなさんも体調管理には十分に気をつけて下さいね。あ、ちなみにハッシュタグは#cmksp でお願いします。(ここでの告知は縁起が悪い?)

    (事務局長)

    CureCosplayCollection@OTAKU SUMMIT 2015開催のお知らせ

    コミケットスペシャル6開催まで、あと2週間。
    本日はコミケットスペシャル1日目のステージの中から1つ紹介します。

    コレクションステージ・パフォーマンスステージ・ワールドステージの3つから構成されるCure のOTAKU SUMMIT スペシャルステージです。いつものコミケットと違い、今回のコミケットスペシャルではコスプレイヤーの方々がステージ上でパフォーマンスを繰り広げます。

    時間は13:45から。お昼ご飯を食べて見に行くのはいかがでしょうか?
    過去のステージの様子など、詳細は告知ページをご覧ください。

    直前レポート『修羅場の車窓から』#12

    第12回「ビューティフル・マインド」

    毎週金曜日の朝は早起きして『SHIROBAKO』と『四月は君の嘘』を見てから出社するので目が赤いのですが、会社の人にバレていないか心配です(←絶対に大丈夫)。このプログレスレポート、本当は当日中に速報をお伝えする予定だったですが、じわじわ遅れてきました。週末になんとか取り戻したいところです……。

    今日は平日にも係らず、メールではステージ関連の微調整が続いています。また企画サークル関係の調整なども加速してきました。コミケットが表現の場として「普段以上の多様性を受け入れる」にあたり、会場の利用規定や時に法律・条例など色々な確認が必要となります。可能な限り希望に添えるよう、調整を続けていきたいと思います。

    さて、今日はアカデミック関連の企画で2つの企画をご紹介します。ひとつ目は1日目(3月28日)の12:50~14:20にOTAKU EXPOセミナーブースで行われる「日本発文化創造:同人文化を中心に」です。こちらは東工大の出口先生、慶応の杉浦先生、明治の森川先生、東北芸術工科大の吉田先生という豪華メンバーでお送りします。みなさんとは少なからずお話しをしたことがある(というか一人は私の指導教員でした……)のですが、いずれもディープなマシンガントークで笑いを取れる方たちなので、堅苦しいシンポジウムというよりは、トークショーに行くつもりでご覧頂けると思います。今回はオタク文化の海外展開の話から始まり、最後は「オタク自慢」「お宝自慢」まで、トークがどこに向かうのか、準備会としてはドキドキしています。

    ※ NHKのコミケット特集より数年早く、放送大学出演時に大量の蔵書をスタジオに敷き詰めた出口先生をご覧になられた方もいらっしゃるかもしれません。放送大学のオープンコースウェアから見られますので、お時間のある方はぜひ。

    もうひとつは前回のスペシャルに続けての企画、1日目(3月28日)の11:20~12:30に行われる「ラウンドテーブル: コミケットの未来・同人ソフトの未来」です。大学や研究機関のゲーム研究者、ゲーム関連のジャーナリストの方を集め、熱いトークが繰り広げられる予定です。5年前には黎明期であったボーカロイド・ニコニコ生放送等のメディアも文化として成熟の兆しを見せ、これらにどのように斬り込み、コミケットと結び付けていくのか。私としても聴きに行きたい企画です!

    アカデミックといえば、むかし数学をかじっていたので映画『イミテーション・ゲーム』が気になっています。数学者映画というと『ビューティフル・マインド』のジョン・ナッシュが定番ですが、本作は事前の評判が良さそうなだけに、数学者映画の新たな金字塔となってほしいところ。数学者ってたまにドラマチックな人生を歩んだ人がいて、恋人を巡る決闘で、20歳にして亡くなったガロアさんは一部では有名だったりします……平和な時代でよかったですね。

    (事務局長)

    直前レポート『修羅場の車窓から』#11

    第11回「復興」

    当日に向けた運用の詳細化が進められています。タイムテーブルの最終化や、エスカレーターの上り・下り運用、ゲート・シャッターの開閉運用といったものが、一つ一つ詰められていきます。こういう新しい会場、異なる時間枠でイベントを開催するときには「紙芝居」(一定時間間隔で、計画上起こることを、地図上にプロットしたスライドショー)を作って、全体の整合性が取れているか確認するのが王道ですので、今週末あたりは集まってきた情報を取りまとめつつ、紙芝居とにらめっこする予定です。

    一点追加のお知らせです。今回のスペシャルで発行予定とサークルガイドブックやカタログでお知らせしていた「コミックマーケット40周年史」は、発行を今夏のコミケット88に延期することになりました。今回のスペシャルを通じて、海外サークルや海外・国内イベント、官公庁や地方自治体と連携した成果を今後も活用するため、40周年史に収載することになったためです。スペシャルでの発行を楽しみにしていた方には申し訳ありませんが、よりパワーアップしたものにしていきますので、ご理解よろしくお願いします。

    昨日3月11日は東日本大震災の発生した日。4年前、私は丸ビルの会議室でインドの方と打ち合わせをしていました。我々ですら経験したことのない大地震に対し、過去に地震をほとんど経験したことがない外国の方が感じる恐怖は計りしれません。少しでも落ち着いてもらうために、状況を必死に英語で伝えたのを覚えています。携帯電話のパケット通信はつながったため、なんとかご家族に安否を伝えられて、ほっとしていたようでした。今回のスペシャルは、海外から大勢の方を迎えるイベントですので、どのように防災上のコミュニケーションを取っていくのか、改めて再確認する必要性を感じた一日でした。

    ※ 震災直後には仕事で海外に行く機会があったのですが、海外では多くの人から東京の状況を聞かれました。そのとき「計画停電」を英語で何というのか戸惑った記憶が……普段使わない単語は、準備しておかないと出てきませんね。

    東日本大震災の発生した2011年、東京でも会場の損傷や節電の要請など様々な事情で、多くの同人誌即売会やコスプレイベント等が中止・延期を余儀なくされました。2010年にスペシャルを開催した水戸も、翌年の震災で大きな被害を受け、2日間だけコミケットが即売会会場として復活させたビルを、被災した水戸市の臨時庁舎として使うという話も一時あったようです(諸事情により中止になったようですが)。

    ※ 前回のスペシャル(コみケッとスペシャル5 in 水戸)は2010年3月21~22日に、水戸市中心部の商店街にある「旧京成百貨店(伊勢甚泉町北ビル)」を即売会会場として開催しました。コスプレ広場は水戸芸術館や三の丸広場、物産展は南町自由広場……というように広いエリアに「面」でイベントを展開し、歩き回ってもらうことで、まちおこしにつなげよう、という仕掛けでした。

    震災から4年、まだまだ日本全国が復興の道半ばですが、今回のスペシャルを通じて、日本のOTAKU文化やイベントのことを広く伝え、海外から遊びに来てくれる人が少しでも増え、様々な産業の復興につながるよう、微力ながら貢献できるといいですね。

    (事務局長)

    直前レポート『修羅場の車窓から』#10

    昨晩(火曜日)は共同代表3人による打ち合わせが準備会事務所で行われていました。スペシャルチームも事務局数名が参加して、もろもろの最終確認。私は仕事で遠隔地にいたので電話経由でしたが、なかなか疲れました……。

    なんとか、当日に向けた販売物・印刷物の入稿も、ようやく終わりつつあります。とはいえ全く落ち着かないのが今回のスペシャル、海外団体に対する最終案内の準備がかなり押しています。翻訳チームの稼働も限界に近い状態なので、なんとか自分で書いて最後のチェックだけお願いする形にすべく、朝からてくてくと英語ドキュメントを作ってました。

    前回、少しだけコスプレルールの話をしましたが、コミケットではコスプレを「身体表現」として位置付け、表現の場としてのコスプレエリアや、コスプレ手段としての更衣室を準備しています。そして、コミケットにおけるコスプレ、そしてコスプレ文化の発展を支援するため、当日にコスプレ先行入場(スペシャルでは実施しません)を導入したり、Webサービス「コミコス」を開設したりしてきました。

    こうした活動の過程で交流や情報交換を行ってきた、コスプレを主体とする「場」をWebやリアルで作られているキュアさん、世界コスプレサミットさん(WCS)によるイベントを、展示ホール4の常設ステージで開催します!

    コスプレコミュニティサイトである「Cure」や「World Cosplay」を運営するキュアさんは1日目(28日)の13:45~14:30に「Cure Cosplay Collection @ OTAKU SUMMIT 2015」を開催し、ファッションショーやアクション・ダンス等のパフォーマンスを行います。今回のテーマに合わせ、海外コスプレイヤーが参加するステージもあるようです。よくネット上で「二次元を超えた」と言われることすらある海外コスプレイヤーさん、あまり生で見たことがないので、非常に楽しみにしています。

    また、2003年から名古屋で開催を続けている「世界コスプレサミット」さんは、2日目(29日)の「日本代表選考会 コミケ予選」を開催します。なんでもバトル物になってしまうのは少年マンガのサガですが、熱いコスプレバトルを楽しみにしています。WCSさんは実行委員会に外務省が入るなど、早い時期から積極的に海外交流を行われてきました。私は生で参加したことはないのですが、毎年行っている共同代表の一人によると、相当熱いイベントとのこと。その熱気が今回のスペシャルでも再現されるに違いありません。

    そして、必ずしもコスプレイヤーさん向けの企画というわけではないのですが、企画スペースP-38では写真家の鈴木心さんとコミケット準備会の共同企画として「鈴木心写真館」が行われます。鈴木心さんは「JR SKI SKI」のキャンペーン(一部の人には「全部雪のせいだ」のポスター、と言った方が分かるかもしれませんが……)などでおなじみの写真家で、ライフワークとしてコミケットの写真を撮影され続けています。とかく人の多さばかりが注目されがちなコミケットではありますが、そこにいた一人ひとりの姿を残したいということで企画されたのが、こちらの写真館です。ご本人が謙遜された「人力プリクラ」と仰られているのですが、お越し頂いた方(一人でもグループでもOK)を鈴木さんが撮影し、プリントアウトを差し上げるという何とも太っ腹な企画。コスプレイヤーさんも、もちろん普段着の人も、この日の思い出を残して下さい。

    ※ 近日中に鈴木さんがなぜコミケットを撮影対象とする理由や、写真館への意気込みを語ったロングインタビューを本Webに掲載予定です。また、鈴木さんが撮影したコミケットの写真の一部を、40周年ブース内で「鈴木心写真展」として展示します。こちらもよろしくお願いします。

    私は過去に骨折して以来スノースポーツは避けて通っているのですが、2013年に本田翼がモデルだった「青春は純白だ」のポスターは、思わず上越新幹線に飛び乗ってしまいそうな迫力がありましたね。

    ちなみに、昨冬のコミケット87で行われた写真館のプレ企画、私も撮影して頂きました。鈴木さんにポージングなどもご指導頂けるのですが、目の眩むスポットライトを浴びつつ「姿勢悪いねえ……」と指摘され、改めてモデルさんはすごい! と思いました。それ以来、少し姿勢を意識するようにしたら、肩こりが軽減するなどの意外な効用も……。みなさんもぜひお試し下さい(効果には個人差があります)。

    (事務局長)

    イベント参加注意書きを公開しました

    コミケットスペシャル6に参加を予定していて、近くにカタログが売っているお店がなく、
    当日会場でカタログを購入される予定の方に向けて、
    イベント参加の諸注意及び注意書きのマンガを公開いたしました。

    プログレスレポート#9でも触れられている通り、
    今回は通常のコミケットとは異なるルールもありますので、
    当日イベント会場でカタログを購入される方は、
    こちらの注意書きをしっかりとお読みのうえ、ご来場ください。

    日本語版注意書きはこちらからご覧ください。

    English Guide is here

    注意書きマンガはカタログが分冊ですので、
    1日目と2日目で別々のサークルさんが描いてくれていたり
    さらに英文のルビがつくなどのOTAKU SUMMITならではの仕様になっています。
    ※それぞれの画像をクリックするとpdfファイルが開きます。

    1日目 小路あゆむ(kuma-puro 1日目C28b)
    Day1_01

    2日目 あらわ(アンナ 2日目G42b)
    Day2_01

    直前レポート『修羅場の車窓から』#9

    第9回「ルール」

    いよいよ当日まで3週間を切り、日々のメールの流量が増えてきました。Webも日々更新されており、印刷会社フェアの情報も続々追加中です。まだ印刷会社を決めていないサークルさん、ぜひお得な情報をチェックして下さい。

    さて、今回のコミケットスペシャル、会場だけではなく様々な注意事項も違いますので、サークル参加者のみなさんはサークルハンドブックを、一般参加者のみなさんはカタログをしっかり読んでもらえればと思います。大前提としてコミケットは「考え方」で

    コミケットは表現に限らず自由な場であるために、禁止事項など一律のルールは最小限に留めたいと考えています。そのため、参加者は事前にカタログ(冊子カタログ・DVD-ROMカタログ・Webカタログ)を熟読することで、コミケットの考え方やルールをよく理解し、自らを律し、マナーやモラルを考え、相互の立場に配慮して行動することを求められます。

    と述べている通り、ルールを最小限に留めたいと思っています。常に「このルールに意味はあるのか?」という自問を行い、時にはスペシャルを規制緩和の実験場とし、試行錯誤を重ねながらルールの緩和を行ってきました。

    実際、水戸で開催した前回のスペシャルでは「まちおこし」というテーマを一つの理由に「会場外にコスプレで出ること」を禁止事項から外す「実験」をしました。この十年で社会からのコスプレに対する目線は変わり(メイド喫茶やハロウィンの影響でしょうか)、都心でも街中を活用したコスプレイベントが開催されるようになりました。この実験は正に、ルールの意味を自問した結果に他なりません。当初は、水戸の方たちから不安の声もありましたが、フタを開けてみれば大きなトラブルもなく、終了後には街の賑わいに花を添えたコスプレに対し、感謝の言葉も聞こえてきました。

    今回のスペシャルのテーマはご案内の通り、オタクサミット。久々の会場ということもあり、コスプレ来場・退場は「ご遠慮下さい」という扱いにさせて頂きました。とはいえ海外のOTAKUイベントは、ホテルや周辺スポットも巻き込んだ「街ぐるみ」が一般的。会場のキャパシティに悩み続けるコミケットとしては、街の活用という視点を取り入れていかなくてはいけないのかもしれません。

    「継続する」というコミケットの目的は、ともすれば規制強化に対して「場を守る」という大義名分を与え、最終的に自らの首を絞めかねません。過去の経験を踏まえると、一度成文化されたルールは参加者の「道徳観」に近づいていきます。そのとき改めてルールの意味を問うことはとても難しいことですが、道徳という枷で表現の可能性を縛っていないか、考え続けることが大切なのかもしれません。

    ……と、きれいにまとまったのですが通常開催の方でも頒布禁止物・禁止事項の整理や、コスプレルールの緩和を継続的に進めてきましたので、規制緩和の余地も減ってきました。隣に並べて読み比べないと分からないレベルですが、多少はチャレンジしておりますので、探してみて下さい。一方で読み比べなくても分かる、スペシャル定番の規制緩和「お酒」については今回も解禁しております。サークルハンドブックやカタログに

    今回は40 周年というお祝い事なので、友人との簡単な乾杯等を行うことは構いませんが、以下のことは必ず守って下さい。
    ① 節度を守り周りに迷惑をかけないで下さい。
    ② 未成年(20 歳未満)の方、運転を予定されている方は絶対にお酒を飲まないで下さい。
    ③ 未成年(20 歳未満)の方、運転を予定されている方に絶対にお酒を勧めず、飲ませないようにして下さい。

    とある通りですので、よろしくお願いします。イベント合わせのグッズとして枡を作った、というサークルさんを見ると、スペシャルだなーという気がしますね。

    お酒といえば、今回は展示ホール4にて「萌酒サミット」さんの出展があります。各地の酒造メーカーさんが作られた萌酒の試飲・即売が行われ、中夜祭にも引き続きご出展頂きます。お酒を飲みながら、ライブでぴょんぴょんするとすごいことになりそうなので、そこは節度を持ちつつ!(自戒)

    (事務局長)